(主日・夕拝)礼拝日時
 
2019年6月2日 主日

聖書講話箇所

「主の言葉は、ひとつも地に落ちることはない」

列王記下9章~10章
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新共同 Ⅱ列 9:1-37

9:1 預言者エリシャは預言者の仲間の一人を呼んで言った。「腰に帯を締め、手にこの油の壺を持って、ラモト・ギレアドに行きなさい。

9:2 そこに着いたら、ニムシの孫でヨシャファトの子であるイエフに会いなさい。あなたは入って彼をその仲間の間から立たせ、奥の部屋に連れて行き、

9:3 油の壺を取って彼の頭に注いで言いなさい。『主はこう言われる。わたしはあなたに油を注ぎ、あなたをイスラエルの王とする』と。そして戸を開けて逃げて来なさい。ぐずぐずしていてはならない。」

9:4 その若者、預言者の従者はラモト・ギレアドに行った。

9:5 彼がそこに着くと、軍の長たちが席に着いていた。彼が、「将軍、あなたに申し上げたいことがあります」と言うと、イエフは、「我々のうちの誰に対してか」と聞き返した。彼は、「将軍、あなたに対してです」と答えた。

9:6 イエフは立って家に入って来た。若者は彼の頭に油を注いで言った。「イスラエルの神、主はこう言われる。『わたしはあなたに油を注ぎ、あなたを主の民イスラエルの王とする。

9:7 あなたはあなたの主君アハブの家を撃たねばならない。こうしてわたしはイゼベルの手にかかったわたしの僕たち、預言者たちの血、すべての主の僕たちの血の復讐をする。

9:8 アハブの家は全滅する。わたしは、イスラエルにおいて縛られている者も解き放たれている者も、アハブに属する男子をすべて絶ち滅ぼし、

9:9 アハブの家をネバトの子ヤロブアムの家のようにし、アヒヤの子バシャの家のようにする。

9:10 犬がイズレエルの所有地でイゼベルを食い、彼女を葬る者はいない。』」彼は戸を開けて逃げ去った。

9:11 イエフが主君の家臣たちのところに出て行くと、彼らは、「どうだった。なぜあの狂った男があなたを訪ねて来たのか」と聞いた。イエフは、「あの男が誰で、何を言ったのか、あなたたちには分かっているはずだ」と答えたが、

9:12 彼らは言った。「それは違う。我々によく説明してくれ。」そこで彼は言った。「あの男はわたしにこのように告げた。『主はこう言われる。わたしはあなたに油を注ぎ、あなたをイスラエルの王とする。』」

9:13 彼らはおのおの急いで上着を脱ぎ、階段の上にいた彼の足もとに敷き、角笛を吹いて、「イエフが王になった」と宣言した。

9:14 ニムシの孫でヨシャファトの子であるイエフは、ヨラムに対して謀反を起こした。――ヨラムは全イスラエルを率い、アラムの王ハザエルに対して、ラモト・ギレアドの防衛に当たったが、

9:15 アラムの王ハザエルとの戦いでアラム兵に傷を負わされ、それをいやすためイズレエルに戻っていた。――イエフは言った。「もしあなたたちが本気でいるなら、だれもこの町を抜け出してイズレエルに知らせに行ってはならない。」

9:16 それから、イエフは戦車に乗ってイズレエルに向かった。ヨラムがそこで床に伏していたからである。またユダの王アハズヤがヨラムを見舞いに下って来ていた。

9:17 イズレエルの塔の上には見張りが立っていたが、イエフの軍勢が近づいて来るのを見て、「軍勢が見えます」と言った。ヨラムは、「騎兵を一人選んで迎えに行かせ、道中無事だったか、尋ねさせよ」と命じた。

9:18 騎兵は迎えに行って、「王が、道中御無事でしたかと尋ねておられます」と伝えた。しかしイエフは、「道中無事であったかどうか、お前と何のかかわりがあるのか。わたしの後ろにまわれ」と言った。一方、見張りは、「使いの者は彼らのところに行ったまま帰って来ません」と知らせた。

9:19 ヨラムは騎兵をもう一人遣わした。彼も彼らのところに行って、「王が、道中御無事でしたかと尋ねておられます」と伝えた。しかし、イエフは、「道中無事であったかどうか、お前と何のかかわりがあるのか。わたしの後ろにまわれ」と言った。

9:20 見張りはまた、「彼らのところに行ったまま帰って来ません。あの戦車の走らせ方はニムシの子イエフの走らせ方と似ています。狂ったように走らせているからです」と報告した。

9:21 ヨラムは、「馬をつなげ」と命じた。戦車に馬がつながれると、イスラエルの王ヨラムとユダの王アハズヤは、それぞれ自分の戦車に乗って出て行った。彼らはイエフを迎えようとして出て行き、イズレエル人ナボトの所有地で彼に出会った。

9:22 ヨラムはイエフを見ると、「イエフ、道中無事だったか」と尋ねたが、イエフは答えた。「あなたの母イゼベルの姦淫とまじないが盛んに行われているのに、何が無事か。」

9:23 ヨラムは手綱を返して逃げ出し、アハズヤに、「アハズヤよ、裏切りだ」と叫んだ。

9:24 イエフは手に弓を取り、ヨラムの腕と腕の間を射た。矢は心臓を射貫き、彼は戦車の中に崩れ落ちた。

9:25 イエフは侍従ビドカルに言った。「彼をイズレエル人ナボトの所有地の畑に運んで投げ捨てよ。わたしがお前と共に馬に乗って彼の父アハブに従って行ったとき、主がこの託宣を授けられたことを思い起こせ。

9:26 『わたしは昨日ナボトの血とその子らの血を確かに見た』と主は言われた。また、『わたしはこの所有地であなたに報復する』と主は言われた。今、主の言葉どおり、彼をその所有地に運んで投げ捨てよ。」

9:27 ユダの王アハズヤはこれを見て、ベト・ガンの道を通って逃げた。イエフはその後を追い、「彼も撃ってしまえ」と命じた。アハズヤは、イブレアムの近くのグルの坂を行く戦車の中で傷を負い、メギドまで逃げて、そこで死んだ。

9:28 彼の家臣たちはその遺体を車に乗せてエルサレムに運び、ダビデの町の彼の墓に先祖と共に葬った。

9:29 アハブの子ヨラムの治世第十一年に、アハズヤはユダの王となった。

9:30 イエフがイズレエルに来たとき、イゼベルはそれを聞いて、目に化粧をし、髪を結い、窓から見下ろしていた。

9:31 イエフが城門を入って来ると、「主人殺しのジムリ、御無事でいらっしゃいますか」と言った。

9:32 彼は窓を見上げ、「わたしの味方になる者は誰だ、誰だ」と言うと、二、三人の宦官が見下ろしたので、

9:33 「その女を突き落とせ」と言った。彼らがイゼベルを突き落としたので、その血は壁や馬に飛び散り、馬が彼女を踏みつけた。

9:34 彼は家に入って食事をしてから言った。「あの呪われた女の面倒を見てやれ。彼女も王女だったのだから、葬ってやれ。」

9:35 だが、人々が葬ろうとして行くと、頭蓋骨と両足、両手首しかなかった。

9:36 彼らが帰って、そのことを知らせると、イエフは言った。「これは主の言葉のとおりだ。主はその僕ティシュベ人エリヤによってこう言われた。『イゼベルの肉は、イズレエルの所有地で犬に食われ、

9:37 イゼベルの遺体はイズレエルの所有地で畑の面にまかれた肥やしのようになり、これがイゼベルだとはだれも言えなくなる。』」

 

新共同 Ⅱ列 10:1-36

10:1 アハブの子供が七十人サマリアにいた。イエフは手紙を書いてサマリアに送り、町の指導者、長老たちとアハブの子供の養育者たちにこう伝えた。

10:2 「今この手紙が届いたら、あなたたちのもとにはあなたたちの主君の子供、それに戦車、軍馬、および砦の町と武器があるのだから、

10:3 その主君の子供の中から最も優れた正しい人物を選んで、父の王座につけ、あなたたちの主君の家のために戦え。」

10:4 彼らは大いに恐れ、「二人の王でさえ彼に立ち向かえなかったのに、どうして我々が立ち向かうことができよう」と言った。

10:5 そこで宮廷長、町の長、長老、養育者たちはイエフに人を送ってこう言わせた。「わたしたちはあなたの僕です。あなたがお命じになることは何でもいたします。わたしたちにはだれをも王として立てるつもりがありません。あなたの目に良いと映ることをなさってください。」

10:6 イエフは彼らにもう一通手紙を書いて、こう言った。「もしあなたたちがわたしの味方をし、わたしの命令に従うなら、あなたたちの主君の子供たちの首を取り、明日の今ごろ、イズレエルにいるわたしのもとに持って来なさい。」七十人の王子たちは、それぞれその養育に当たっていた町の有力者たちのところにいたが、

10:7 この手紙が届くと、彼らは王子たちを捕らえ、七十人を残らず殺し、その首を籠に入れ、イズレエルにいるイエフのもとに送った。

10:8 使者が、「王子の首が届けられました」と知らせに来ると、イエフは、「その首は二つの山に積んで、明朝まで町の入り口にさらしておけ」と命じた。

10:9 翌朝、彼はそこに出て行って立ち、すべての民に言った。「あなたたちに罪はない。わたしは主君に対して謀反を起こし、彼を殺した。だが、この者たちすべてを打ち殺したのは誰か。

10:10 ただ、このことだけは知っておくがいい。主がアハブの家に対してお告げになった主の言葉は一つも地に落ちることがない。主はその僕エリヤによってお告げになったことを実現された。」

10:11 こうしてイエフは、イズレエルに残っていたアハブの家の者およびアハブについていた有力者、親友、祭司を皆打ち殺し、一人も残さなかった。

10:12 イエフは立ってサマリアに向かったが、途中ベト・エケド・ロイムで、

10:13 ユダの王アハズヤの身内の者たちに出会った。「あなたたちは誰か」と尋ねると、彼らは、「わたしたちはアハズヤの身内の者です。王子たち、王妃の子供たちの安否を問いに行くところです」と答えた。

10:14 彼は、「この者たちを皆、生け捕りにせよ」と命じた。部下は彼らを生け捕りにして、ベト・エケドの水溜めのところで、彼ら四十二人を殺し、一人も残さなかった。

10:15 イエフがそこを出て進んで行くと、彼を迎えに出たレカブの子ヨナダブに会った。イエフは彼に挨拶して言った。「わたしの心があなたの心に対して誠実であるように、あなたの心も誠実ですか。」ヨナダブは答えた。「そのとおりです。」イエフが、「そのとおりなら、手を出してください」と言ったので、ヨナダブが手を差し出すと、イエフは彼を引き上げて自分の戦車に乗せ、

10:16 「一緒に来て、主に対するわたしの情熱を見てください」と言った。二人は彼の戦車に一緒に乗り、

10:17 サマリアに行った。彼は主がエリヤにお告げになった言葉のとおり、サマリアでアハブの家の者をことごとく打ち殺し、一族を全滅させた。

10:18 イエフはすべての民を集めて言った。「アハブは少ししかバアルに仕えなかったが、このイエフは大いにバアルに仕えるつもりだ。

10:19 今バアルのすべての預言者、バアルに仕えるすべての者、すべての祭司をわたしのもとに呼べ。一人も欠席させてはならない。わたしがバアルに大いなるいけにえをささげるからだ。欠席する者はだれも生かしてはおかない。」イエフはバアルに仕える者を絶やすために、策略を用いたのである。

10:20 イエフが、「バアルのために聖なる集まりを催せ」と命じたので、彼らはそれを布告した。

10:21 イエフがイスラエル中に使者を遣わすと、バアルに仕える者が皆集まって来た。来ない者は一人もなかった。彼らはバアルの神殿に入り、神殿は隅々まで満ちた。

10:22 イエフは衣装係に、「バアルに仕えるすべての者に祭服を出してやれ」と言った。彼らは祭服を出した。

10:23 そこでイエフはレカブ人ヨナダブと共にバアルの神殿に入り、バアルに仕える者たちに言った。「主に仕える者があなたたちと一緒にいることがないよう、ただバアルに仕える者だけがいるように、よく調べて見よ。」

10:24 二人はいけにえと焼き尽くす献げ物をささげるために入ったが、イエフは外に八十人の人を置き、次のように言った。「わたしがお前たちの手に渡す者を逃がした者は、自分の命をその逃がした者の命に代えなければならない。」

10:25 焼き尽くす献げ物をささげ終わったとき、イエフは近衛兵と侍従たちに言った。「入って、彼らを討て。一人も外に出すな。」近衛兵と侍従たちは彼らを剣にかけて殺し、そこに投げ捨て、更にバアルの神殿の奥まで踏み込み、

10:26 バアルの神殿にある石柱を運び出して焼き捨てた。

10:27 バアルの石柱を破壊してから、バアルの神殿を破壊し、これを便所にした。それは今日に至るまでそうなっている。

10:28 このようにして、イエフはイスラエルからバアルを滅ぼし去った。

10:29 ただ、イスラエルに罪を犯させたネバトの子ヤロブアムの罪からは離れず、ベテルとダンにある金の子牛を退けなかった。

10:30 主はイエフに言われた。「あなたはわたしの目にかなう正しいことをよく成し遂げ、わたしの心にあった事をことごとくアハブの家に対して行った。それゆえあなたの子孫は四代にわたってイスラエルの王座につく。」

10:31 しかしイエフは、心を尽くしてイスラエルの神、主の律法に従って歩もうと努めず、イスラエルに罪を犯させたヤロブアムの罪を離れなかった。

10:32 このころから、主はイスラエルを衰退に向かわせられた。ハザエルがイスラエルをその領土の至るところで侵略したのである。

10:33 侵略はヨルダン川の東側にあるギレアドの全域、ガド、ルベン、マナセの地で行われ、アルノン川の近くにあるアロエルから、ギレアドとバシャンにまで及んだ。

10:34 イエフの他の事績、彼の行ったすべての事、すべての功績は、『イスラエルの王の歴代誌』に記されている。

10:35 イエフは先祖たちと共に眠りにつき、サマリアに葬られた。その子ヨアハズがイエフに代わって王となった。

10:36 イエフがサマリアでイスラエルの王位にあった期間は二十八年であった。