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ツルヴォ
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ツルボ                徳島県小松島市日峰山   2006.10.2 
 これは、初秋に咲く野生の花としてはとくに印象的な花の一つです。これは、もうずっと以前、勝浦川という徳島県ではかなり大きな川の土手に咲いていたのを見たのが初めてでしたが、その後山道などで時折野生のものを見かけることがあります。先日も香川県にキリスト教の集会のために出向いているときに、途中の山道で群生していたのを見付けたことがあります。柔らかな葉、そしてすらりと20~30cmほど伸びた花茎の先に長さ4~7cmの花序をつけて、その質素な美しい青紫の花を下の方から次々に咲かせていきます。
 つぼみも目にやさしい淡い青紫で、それが喜びではじけるように次々と咲いていく姿には、清い美しさとともに満ち足りた何かをたたえています。
 人間は何かにつけて、満ち足りることのない存在で絶えず不満を感じることが多いものですが、こうした自然の植物にはそのような人間への神からの語りかけがこめられているようです。 
「私たちは、皆、この方(キリスト)の満ちあふれる豊かさのなかから、恵みの上に、さらに恵みを受けた」(ヨハネ福音書1:16)とありますが、誰にみられようともせずにひっそりと静かな山道で咲くこうした野草には、この満ちあふれる豊かさを受けとって咲いているように感じられます。